October.03.2016

【8/21(日)~8/24(水)実施】熊本地震災害ボランティア現地活動報告2日目

ボランティア体験

Date:8.23(火)  
Place:熊本県 熊本市・御船町・西原村・南阿蘇村

活動2日目(8月23日)の気温は38度。連日暑い日が続きましたが、学生はこの日も元気に活動していました。

 熊本市での活動を行なっている学生は、午前中、災害ボランティアセンターの所長さんから震災直後から現在までの災害ボランティアセンターの歩みやどのような支援を受けたのか、今後どのような支援が必要とされてくるのかについての説明を受けました。そこでは報道の量や地域差によって支援に大きな違いがあることや企業による支援についてのお話も伺いました。お話を聞き、学生は「現地に行く以外の支援がこんなにあるとは思わなかった」「震災直後、大学で募金活動をしていたけど、そのほかにも支援できることがあるという事が分かった」と新たな発見に驚いていました。

 

IMG_1106その後、車で地震の被害が特に大きかった益城町内の視察に連れて行っていただきました。震災から4ヶ月以上経過していてもまったく手付かずで崩れてしまっている家屋やひびが入ってしまっている道路など、震災直後の様子が分かる場所がたくさんありました。 災害ボランティアセンターや熊本市内にいるとあまり当時の現状を知る機会が多くありません。だからこそ学生はその被害の大きさや地域によって復旧の進み具合に格差があることを自分の目で見て肌で感じることができる良い機会となりました。



午後からは昨日に引き続き書類の整理のお手伝いをしました。昨日と学生の様子が大きく違ったのは、多くの方とコミュニケーションをとることができていた事です。災害ボランティアセンターの中には震災発生直後から現在まで長期にわたり継続して支援を行なっているボランティアさんがいました。学生は支援を行なう側から見た当時と今の違いや、ボランティアとして現地に滞在し支援を続けている理由などをボランティアさんから伺っていました。

 

 

1475225204626御船町で活動した学生は、午前中は地震によって倒れてしまった墓石を起こしてほしいという依頼に対応しました。災害ボランティアの依頼は「瓦礫の撤去」や「泥だし」など重労働が多いと思われがちですが、「倒れた棚を起こしてほしい」、「ずれてしまった冷蔵庫を動かしてほしい」といった若い人や力がある人ならすぐにできそうな依頼も少なからずあります。災害現場では日常生活を送っている中では起こらないような困りごとにたくさん直面します。その困りごとを安全を確保しながら解決するのは一人暮らしの方や高齢者の方は特に大変です。そんな時ボランティアさんの力が必要になります。ただしボランティアさんも安全を確保しながら活動しなくてはいけません。そんな時、依頼者とボランティアさんの仲介役になる「コーディネーター」の存在が重要になります。今回の活動には御船町の社会福祉協議会の職員さんも同行していただきました。依頼者とのやり取りを現場で見させてもらうことで学生自身も改めて被災された現場の緊迫感を感じた様子でした。

 

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午後からは社会福祉協議会の事務所に戻り発行物の校正作業や資料整理を行いました。通常の業務に加え、災害に対する様々な支援を行なっている社会福祉協議会では業務が山積みになっていました。そのような中で現地での活動に参加させてもらった学生は学生ができることを考え、精一杯活動していました。

 

 

コーディネーターの二人は今後も継続的な現地支援を行なっていく事を目的としたニーズ調査を行いました。熊本市や御船町同様、大きな被害を受けた「西原村」「南阿蘇村」の視察を行いました。

西原村では仮設住宅で活動している大学生の様子を見学させていただきました。仮設住宅では家に引きこもりがちになり、生活不活発病や孤独死といった問題が発生しやすいといわれています。住民の方に外へ出てもらい交流を深めてもらう支援もまた、支援の形のひとつです。今回は仮設住宅団地内の集会所で行われていた「足湯」の活動を見学させてもらいました。仮設住宅での生活は長期化することが予想されます。私たちのように支援先と距離が離れている中で定期的に支援ができる可能性を改めて考えていきたいと強く感じました。IMG_1157

南阿蘇村では報道で有名になった「阿蘇大橋」や東海大学阿蘇キャンパス周辺を視察しました。熊本市内から南阿蘇村へつながっている国道は現在通行止めで、大きく迂回しなくてはいけません。山肌は崩れて土の部分が見えているところが多数ありました。東海大学周辺は学生寮やアパートが倒壊したまま手付かずになっているところが多数あり、震災当時のまま人だけがいなくなってしまったような印象を受けました。同じような地震が京都で起きたらと考えると学生がいかに災害に対して意識を持つことができるかが重要だと感じました。この現状を多くの学生に伝えていく事もまた、現地にいった人ができる支援なのではないかと感じました。1475225057392