2025年3月7日(金)~8日(土)に、キリスト教文化センター・ボランティア支援室の共催で能登半島地震被災地支援ボランティアプログラムを実施しました。参加学生13名と引率教職員4名合わせて、17名が活動しました。
なお、本プログラムは、公益財団法人スポーツ安全協会スポーツ普及奨励助成事業(大学災害ボランティア活動への助成)に採択いただき、現地での移動手段や、安全に活動できるよう災害ボランティアに係る備品を準備することができました。
<事前研修会>
3月4日(火)に同志社礼拝堂(今出川校地)にて、参加学生と引率教職員の顔合わせも兼ねた事前研修会を実施しました。今回活動を行う被災地域の被害状況を知ることに加えて、キリスト教文化センター准教授の森田先生より、これまでの支援のご経験のもと、現地の様子についてなどを講話いただきました。また、当日の活動についての詳細や持ち物についても説明し、最後は参加学生より一言ずつ意気込みを共有しました。
<プログラム1日目(3/7(金))>
JR金沢駅で集合し、宿泊施設である国立能登青少年交流の家(羽咋市)へマイクロバスで移動しました。参加者はほとんどが初対面同士でしたが、移動中のバスの中で隣になった学生と交流をする様子がありました。
国立能登青少年交流の家に到着後は、本学社会学部の卒業生で、2024年12月に石川県輪島市に移住された狭間明日実さんと交流しました。はじめに狭間さんから移住に至るまでのエピソードをご紹介いただき、続いて移住後の印象深い出来事や現地の方からの言葉などをご紹介いただきました。講話後は、2グループにわかれて感想を共有し、質疑応答をしながら狭間さんとの交流を深めました。
狭間さんとの交流後は、宿泊施設(能登青少年交流の家)が実施されているプログラム「夕べのつどい」に参加しました。普段は、異なる宿泊グループ同士が交流を行うプログラムですが、今回は本学のみの参加でした。プログラムでは身体を使ったアクティビティを実施していただき、参加者は楽しみながら交流を含め、少し緊張した雰囲気が和らいだ様子がありました。その後は夕食・入浴時間を取り、翌日の活動について確認を行い、早めの就寝となりました。
<プログラム2日目(3/8(土))>
2日目は、北陸学院大学のコーディネートのもと、令和6年元旦に発生した能登半島地震及び同年9月に発生した豪雨災害による被害を受けた輪島市門前町にてボランティア活動を行いました。
北陸学院大学に加えて桜美林大学も合流され、3大学合同チームで活動することとなり、いくつかのグループにわかれ、作付けを直前に控えた畑の整備や、公費解体予定の住宅周辺の清掃、用水路の清掃や、バラ園整備などを午前中に行いました。バラ園は、昨年の災害以前から地域の方の交流拠点となっており、被災後となる昨年の秋頃には被災を乗り越えて多くの地域住民が集うコンサートが開催されました。今年もバラが咲く6月初旬にコンサートを計画されているとのことで、用水路の清掃や雑草抜きなど細かなところの整備をお手伝いしました。
昼食では、地元の郷土料理であるとり汁を、地域住民の方がふるまってくださいました。地域の方や他大学の学生との交流を深めていると、別のところで活動していたボランティアチームも昼食休憩に来られ、気づけばいろんなボランティアの人たちが集まる場になっていました。
午後からはバラ園の近くにある仮設住宅へ移動しました。仮設住宅の通路や玄関前、スロープや階段には積雪時に住民の方が滑って転ばないように藁菰(わらこも)が敷いてあり、それを剥がす作業を行いました。この藁菰は12月頃に北陸学院大学や桜美林大学の方で敷かれたそうで、積雪シーズン後は天日干しにしてから次のシーズンに備えて保管する必要があるとのことでした。その他、一部の藁菰は畑でも活用されるそうです。
水分を含んだ藁は想像以上に重く、一つ一つ剥がすのにとても時間がかかりました。作業をしていると、住民の方が外へ出てきて「ご苦労様です」「ありがとう」といった声をかけてくださることもありました。今回活動した地域では、地震から1年以上経つ現在でも、家屋が倒壊したままになっている場所が多く、まだまだ復興の途中ということを目の当たりにしました。
<事後振り返り会>
3月27日(木)に事前研修会と同じく同志社礼拝堂(今出川校地)にて事後振り返り会を行いました。活動を通して感じたことや気づいたこと、また戸惑ったことなどを共有し、今回の経験をどのように活かすことができるか、参加学生同士で意見交換を行いました。
報道などで知る能登の様子と、現地で見聞きしたことの情報の差があり、まだまだ復興途中であることを実感したという感想が多く寄せられました。それを踏まえて、まずは身近な人に能登の現状を伝えたい、また継続してボランティア活動にも参加したいという声が挙がりました。振り返り会の最後にキリスト教文化センター准教授の李先生による隣人愛についての講話があり、お祈りで締めくくりました。
<参加学生の感想など>
・実際に現地に行くことの大切さ、伝えることの大切さに気がつきました。今回現地へ行ったことで、やはり現地でしか感じられないこと、しれないことがあると感じました。オンラインで済ませられることも増えている世の中ではありますが、現地に足を運ぶことの大切さを忘れないようにしたいと思いました。
・実際に現地に行って、実際に倒壊した家屋やあたりまえの生活が奪われてしまった現状を見て心が痛みました。そこからあたりまえの生活がおくれているありがたさ、そしてボランティアなどの支援の大切さを学びました。また実際に現地に行く大切さを学びました。
・実際に現地に行ったことで、能登半島について、とても関心を持つことができました。私たちにできることは確かに小さいかもしれないが、能登半島に関心を持ち続けることも支援の1つだと思うので、今後も注視していきたいと思います。
被災された地域住民の方の生活が少しでも前に向くよう、何かしたいと思いを持った学生と共に、引き続き、本学でできることを継続して行っていきたいと思います。
本プログラムの報告を兼ねて、キリスト教文化センター主催のチャペル・アワーにて参加学生による体験談の紹介を行います。また、2025年度も継続して本プログラムを取り組んでいきたいと計画しています。現地の様子を知ることができる機会ですので、ぜひご参加ください。
<チャペル・アワー>
今出川校地:2025年4月23日(水)12:35~13:00 同志社礼拝堂
京田辺校地:2025年5月 7日(水)12:35~13:00 同志社京田辺会堂言館