October.20.2016

【9/8(木)9(金)実施】第10回大学ボランティアセンター全国フォーラム2016が開催されました

セミナー

Date:9.8(木)~9(金)  
Place:同志社大学 寒梅館・良心館

9月8日(木)、9日(金)の2日間にわたり、「第10回大学ボランティアセンター全国フォーラム2016」が、同志社大学今出川校地を会場として、NPO法人ユースビジョンと同志社大学ボランティア支援室の共催で開催されました。

大学ボランティアセンター全国フォーラムは、毎年さまざまなテーマを設けながら、全国のボランティアセンターのコーディネーターや教職員が集まり、情報提供や意見交換をする場です。今回は10回目の開催です。

今回は開会の前に、オプション企画として「大学ボランティアセンター基礎セミナー」が開かれました。これは、大学ボランティアセンター設立を検討している大学や、設立したばかりの大学、新任担当者を対象とした基本的な事柄を学ぶ講座です。「ボランティア活動における学生の学びとは何か」「大学はなぜ学生のボランティア活動を支援するのか」というお話や、「大学ボランティアセンターとは何か」というお話をユースビジョン代表 赤澤氏より伺いました。

ボランティアセンターに関わる学生・地域の方・ボランティアコーディネーターの、それぞれの立場や心情が共有され、前提を揃えることが出来た時間となりました。RIMG0661

午後から全国フォーラムのメインプログラムが開催されました。まずは、ボランティア支援室室長の上田先生から開会の挨拶がありました。

その後、「あらためて、大学における『ボランティアセンター』の価値、役割を考える」というテーマで全体会がスタートしました。

まずは、赤澤氏より、大学ボランティアセンターにはどのような役割が期待されているか、またどのような価値を示していくべきかという趣旨説明をいただき、大学を取り巻く社会の動きについてお話しいただきました。

そして、パネリストの筒井のり子氏(龍谷大学ボランティア・NPO活動センター副センター長)、高見大介氏(日本文理大学人間力育成センター副センター長)からそれぞれお話をいただきました。

高見氏からは、「日本文理大学・人間力育成センターの取り組み~COC活動の現在~」と題して、人間力育成センターの成り立ちから現在まで、どのような壁があり、どのような動きをしてきたか、お話を伺いました。地域と学内のギャップを埋めていくことや、学内での調整についてどのようにおこなっていったのかをお話いただき、「参考になりました!」「もっと動いていこうと思いました」という参加者からの感想があり、それぞれの問題解決の糸口になるようなお話を伺うことができました。

筒井氏からは、「大学と地域の連携多様化時代におけるボランティアセンターとボランティアコーディネーターの役割」についてお話しいただき、ボランティアコーディネーションの再定義をする視点を投げかけていただいた時間となりました。特に参加者から反響があったのは「対等な関係」というキーワードです。ここで言う対等という言葉の意味については、「立場を合わせることは難しいが、相互に納得して活動できるように調整していくことで、実現していく」という説明がありました。また、「目的を共有することで同じ立場になり得たり、それぞれの強みを認め役割を分けることで、上下がないとお互い理解できたりする」とのお話もありました。IMG_7074

全体会終了後は、会場校活動紹介と施設見学が行われ、参加者に本学の取り組みを、ボランティアコーディネーターの澤村と学生スタッフARCO代表の橋田より紹介させていただきました。また、ボランティア支援室やボランティア資料室、ARCOのBOX(部室)など、施設をどのような思いでつくっていったかなど経緯を踏まえながら、紹介させていただきました。参加者は熱心に、話にうなづいたり、質問したり、写真撮影をされていました。IMG_7084

そして、1日目終了後は情報交換会を行いました。それぞれが思い思いに会話を楽しみ、お互いの活動について、情報交換をしたり課題を相談したりして、各大学間の関係を結びつける機会となったようです。RIMG0773

2日目は、午前中3つの分科会に分かれて、グループワークを行いました。

分科会1は、「ボランティアビギナーへのきっかけづくり」というテーマでした。自己紹介中で最近の学生の様子の変化の話題となり、さらに理解を深めていく時間となりました。

また、ユースビジョンが実施する「学生ボランティアチャレンジ ボラ活」の取り組みや企画意図や実施時の工夫について紹介しました。

分科会2は、「地域と学生との協働」をテーマに、事例を元にしてグループワークを行いました。地域と学生の価値観や認識の違い、また学生の変化やコミュニケーションパターンの変化についても話がおよび、学生に合わせていくために事前準備をしたコーディネートを行っていかなければいけないという気づきがあったようです。

分科会3では、「学生スタッフの育成・支援」をテーマに、各大学の課題共有をしました。規模や大学内での位置づけ、設立年数によって違いはあるが、「そもそも学生スタッフが必要か」「必ずしも必要ではないのでは」という議論からスタートし、学生スタッフの位置づけを改めて確認していくような議論となりました。

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その後、大学ボランティアセンターの運営に関わる現場のスタッフの方から、実践報告や研究発表をしていただき、参加者同士で学び深める「自由研究発表」の時間に移りました。

まず、聖学院大学ボランティア活動センターの芦澤さんより「卒業生というタカラモノの活かし方!?」というタイトルで、発表いただきました。「自分たちを活用してもらう場がほしい」との卒業生からの声を受けていろんな試行錯誤をしているという発表で、発表いただいた後、「卒業生とどのような連携ができそうか、既に取り組んでいる事例はあるか」など、会場へ投げかけがありました。会場からは、在学生対象の相談室を開いたり、ホームカミングデーをつくってパネル展示や寄付を呼びかけたりするなど、意見が寄せられました。IMG_7099

次に、関西地区大学ボランティアセンター連絡協議会事務局の井上さん(京都産業大学)より、協議会で作成した冊子「学生と地域のホンネ」について、作成された経緯や内容についてお話しいただきました。内容は、実際にあった対応困難事例などを取り上げ、対応や担当者のノウハウを集約したものとなっています。「今後この冊子を使い、どのような貢献ができるのか、どのように広めていけるか」という投げかけが会場へされました。会場からは、地域の方に読んでいただいて相互理解を促していったり、学生が学びのツールとして使用したりするなどの意見が出ました。IMG_7105

※冊子はこちらからご覧いただけます。 http://www.osakavol.org/03/daigaku-vc/

最後には、このフォーラムでの一番の気付きを参加者が一言ずつ発表し、閉会となりました。一言発表では「同じような悩みを共有し、元気をもらえる場」「年に1回の自分の実践が間違っていないと確かめられる場」「新たな気づきを持ち帰る貴重な機会」などの話が出されました。